『パンティ狂騒曲』




※元ネタは、11巻『黒の幽霊 1』からより。
そして、馬鹿話なので、ご注意(苦笑)




「薫―――― っ!! またお前、僕名義の経費で下着を買ったな !! 」

 怒り心頭な皆本が、状況省みずに女子ロッカーに飛び込み、

中で一人着替えている薫の目の前に領収書を突き出した。

「ちょ、ちょっと皆本、こんなところまで入ってこないでよ !! 」

 下着姿の際、突如皆本が飛び込んできたこともあり、慌てて薫は手にしている上着で身体を隠す。

 子供の頃とは違い、その辺りは流石に恥じらいというものを覚えたらしい。

「何度、経費で私的な買い物をするなと言っているのに、直さないのはどういうことだ !! 

まったく、もうじき二十歳になろうとしているのに常識を知れ ! 

それに買った物は僕が返すから、よこせ。まさか、もう値札をまた外してしまったというなら、

今度は君の給料から罰金を加算して徴収させてもらう !」

 過去に何度も彼の知らないところで、勝手に名義を使われ買い物されていた皆本は、

今回という今回は、我慢が出来ない。

 突然そんな事を言われた薫にとっては、納得出来るのものではない。

 たとえ、黙って彼名義として国の税金で買い物をしても、全然悪びれていないのだ。

 高級で良い質感の下着は、任務に着く時に身に付けると、なんとも言えない高揚感を覚える。

 彼女にとっては、それが任務に行く際の制服のようなものだからだ。

 子供の頃は、『ザ・チルドレン』の制服を着ていたのだが、

まもなく成人を迎えようとしている今は、特に決まりはなく、私服で行動しているから尚更でもある。

「そんなのひどいじゃない !! そのくらい、いいじゃん ! 」

 膨れ顔で薫は、自分の非を認めずに抗議をするのだったが――――

「だったら、素直に返せばいい」

 冷たく、皆本は言い放つ。

 憮然とした顔で薫は、彼を睨みつけながらも、脳裏で何か思惑が浮かび上がる。

「返せれるわけないじゃない。だってもう私、今着けているんだから」

 そう言いながら薫は、持っていた上着を投げ捨て、

キャミ姿を彼の前に晒しながら、それを軽く指先でめくり上げた。

「こ、こら、薫、何をするんだ !! 」

 彼の目には、情欲を湧かせる様な黒地をベースにした下着が目に入る。

 思わず凝視してしまいそうになるのを、慌てて彼は顔を背けるのだが顔は赤い。

 下着までならいいのだが、年頃の妙齢の女性の素肌を、

しかも下半身を目になどしてしまうと、さしもの堅物の皆本でさえも目のやり所に困惑する。

 特に自宅ならまだしも、公私を区別している彼だからこそかもしれないのだが、

普段外では押さえ込んでいる男の本性が目覚めてしまいそうになる衝撃が湧き上がるのを、

彼は必死に押さえ込む。

 今は、仕事中なのだから、そんな不埒な思考を持つべきではないのだと―――

「私は罰金も代金も支払うつもりないから、取り上げたいのなら取り上げたら ? 出来たらの話だけど」

 挑発しながら薫は、小悪魔的な笑みを彼に向ける。

 外でそんな度胸などあるはずもない皆本が、

取り上げる事など出来るわけが無いと確信しているからだ。

 しかし、予想を反して薫の態度に、皆本の堪忍袋の緒や諸々がブチ切れた。

 突如、薫の右手を彼は掴み上げ引っ張ると強引にその場から連れ出そうとする。

「ち、ちょっと皆本 !! どうするつもり !! 」

 強引な行動に、さすがの薫も驚きを隠せない。

「お前のような言う事を聞かない奴に、ふさわしいことさ―――― 」

 そう言うと、薫を引っ張ったまま、皆本はどこかに姿を消してしまうのだった。

「み、皆本―――― 私が悪かったよ、だ、だから、もう許して―――― 」

 悲鳴のような声で、薫は皆本に許しを請う。

「駄目だ。いつもいつも、僕の言う事を聞かない奴には、キツイお仕置きをしておかないとな」

 女子ロッカーの奥にある物置に押し込まれ、鍵を閉められたあげく仕置きされているのだが、

仕置き内容というのは、粘膜同士の絡み合いというべきか。

 というか、ほぼ強引に皆本が薫に男女の営みをさせているように見える。

押しこまれてすぐに、犬のように地を這わせ、

キャミと問題となった下着奪い取られたかと思うと、愛撫など皆無に近い状態で、

薫の内部に背後から彼は素早く侵入させ、彼は自らの腰を激しく突き動かしている。

 身体の受け入れ準備が全然出来ていなかった薫の方は、たまったものでは無い。

 強引に受け入れた皆本のために、苦痛が当初は大きかったのだが、

それはそれ、皆本の技巧というものなのか、段々と快楽の方が強くなる。

 けれども、快楽は止め処も無く薫を襲うのだが、頂点に達することは無い。

 薫の性感帯を知り尽くしている皆本にとっては、

彼女の内部で最も感じ悶えるポイントを避けながら責め続けていて、

中途時半端にされていても薫にとっては、蛇の生殺しのように苦しく切なげに喘ぐしか出来ない。

 それが、彼にとっての薫に対する罰でもあった。 

 いやそもそも、こんな風に罰を与えている自体、

全然間違っているというのはこの場ではあえて誰も突っ込まないようにしたいが。

 ともかく、身体で自分のしてきた事を味あわせるということで、皆本は薫に罰を与え続けてはいる。

 ま、ほとんど自分の自己満足のような状態に近いかもしれない。

 ただ、薫の日頃の態度の悪さと、

挑発のために彼に見せ付けた肢体に普段は押さえ込んでいた性欲が止められなくなったというべきか。

 そんな訳で、BABELの内部で日中から隠れ偲んで、

薫を襲っているというのは、不謹慎で不道徳としか言えないが、

堅物の彼でも時にはこんな状態での行為もいいのかもと、

彼の中の悪の部分が囁き行動に移したのだが、すぐに薫を達せさせるのは面白くないこともあり、

焦らし続けて薫の彼を求める普段見せないような弱気で彼に許しを請う表情を見たかった。

 それは、男の持っている征服欲というものかもしれない。

 普段自分よりも皆を立てる皆本だったのだが

、時には身体を許した薫相手だと、激しく攻め立てることすらある。

「どうした ? いつもの薫らしくないじゃないか、

さっきまでのような生意気な態度はどこへ行ったんだ ? 」

 決して奥まで突き立てず自分を動かし続け、薫の胸元の先端を強く摘みあげながら、

耳元に舌を這わせながら、意地悪に囁く。

「う…… あっ…… 皆本の馬鹿ぁ…… 」

 焦らされ続けている薫は、潤んだ眼で皆本に今すぐにを求めるのだが、その求めを彼は更に拒否する。

 喘ぎ続けているうちに薫の下半身からは、次第に力が抜け始めていく。

 いくら若く体力があろうとも、いつまでも達せないまま、されているだけでは疲労も倍増するのだ。

「や…… そこ、駄目っ-------- あぁ--------- ! 」

 更に皆本の空いている指先で、焦らされ続け熱く熟んでいる突起を指先で強めにこすりつければ、

弓なりに薫の身体はのけぞりながら、自分の中にいる皆本のそれを締め付けながら身を震わせた。

 それが皆本には、なんとも表現しがたい快感につながる。

 男の本性とも言える征服感とも言うべきか、薫の中で更に彼のものは膨張さを増す。

 それが薫に更なる刺激を与え喘ぎ、悶える顔を浮かべる。

 もっと薫の啼き喘ぐ顔を見たさに、彼は薫の内を激しく掻き回そうとした矢先--------

 ドアの向こうで人が入ってくる気配と、声が聞こえてきた。

「疲れたわね、さっさと着替えて帰りましょう」

「ほんまに疲れたわー」

 声からすると葵と紫穂らしい。

 今日は薫と別行動の任務についており、時間差でようやく今それが終わったらしい。

 思わず、突き動かしていた動きを皆本は止める。

 未だ、繋がったままの状態でだが。

 さすがに、ドアの向こうにいる二人に悟られないようにと思ったらしい。

 こんな状態をもし見られたりでもしたら、弁解の余地も何も無い。

 間違いなく軽蔑の冷たい眼差しと、いつまでもこの事を嫌味として出すのが目に見える。

 しかし、気配を殺しながら様子を伺っていた彼は、ある魂胆が湧き上がる。

 再び、腰を動かし始めたのだ。

『み、皆本 ?! 』

 小さく声を潜めながら、薫は皆本の行動を信じられないという顔で、

声を出そうとしたのだが、その口を彼の手で覆われてしまう。

『声を出して向こうにバレたら、どうなるかわかっているんだろ ? 

なら、薫が声を出さずに我慢すればいいだけだ』

 薫の耳元で、小さく呟くような声で皆本は意地悪く囁く。

 緊迫した状態での行為を彼は、興奮に変えていたのだ。

 そんなもの薫からしてみれば、理解しがたいものであり、異常とでも言いたいのだが。

 それが、男の本能ということを知る由も無い。

 しかし、そんな事さえ反論する余地も何も無い薫は、

今は何も出来ずに皆本からされるがままでしかなかった。

「んあぁぁ---------  ! 」

 今度は奥深くまで突き上げられる快楽が、激しさを増していく最中、

声さえ出せずに必死に堪えている薫であったのだが、

これもまた女の本能というべきか襲い掛かる快楽を我慢することなど出来ず、

全身に痙攣のような震えが走ったかと思うと、ついに達してしまい一際大きな喘ぎを漏らしてしまうのだった。

 声を出したかと同時に、慌てて皆本は再び薫の口元を手で塞ぎ声を塞ぐ。

 しかし、さすがに声が少々大きかったのか、ドアの向こうの葵がそれを耳にしてしまう。

「なんや ? あっちの部屋から声が聞こえてきたんちゃう ? 」

 着替えていた手を止めて、葵は二人のいる部屋の方向に目を向けドアの前に立つ。

「そう ? 私には何も聞こえなかったけど」

 紫穂は着替えの手を止めないまま、その隣にある着替え途中の薫のロッカーに視線を向けながら、

何やら手をかざしている。

「でも確かに聞こえた気がするんや。もしかしたら、

あっちに誰か下着ドロでもおったら大変やでウチ見てくるわ」

 そう言いながら、葵はドアのノブを握ったのだが、内鍵がかかって開かない。

 中にいる皆本は、あらかじめ鍵をかけていたこともあるのだが、

彼もさすがに外に悟られ、やばさを覚えずにはいられない。

「なんや、鍵かかっているわー。仕方ない瞬間移動で行くか」

 その言葉を耳にして、皆本は今度こそ窮地に追い込まれる。

 こんな状態を目撃されてしまったらと-------

葵は、瞬間移動で中に入ろうと構えた時--------

 助け舟の如くの言葉が入る。

「そこには本当に誰もいないわよ、葵ちゃん。

一応、精神感応で周囲見てみたから確かよ。

大体、BABELの女子更衣室に入り込もうとする命知らずなんているわけないじゃない」

「紫穂がそう言うのなら、気のせいだったのかもしれんな」

 紫穂の言葉を信じたらしく、葵は中に入るのを止めた。

 同時に中にいる皆本は、安堵のため息を心の中で漏らすのだが、

しかし紫穂には完全に悟られている事も気付く。

 中で何をしていることを知っている上で、助け舟を出したのだと。

 そういう面では、ある意味理解がある子でもあるのだが、後の見返りが怖い部分もある。

 気配を殺しているうちに、やがて紫穂と葵は更衣室から出て行った。

「ふう…… 」

 今度は、皆本が大きな息を口に出しながら吐く。

 と、同時に彼の腕の中に重さを感じる。

 達した時なのか、いつなのか分からないのだが、

極限まで弄られていた薫は、その腕の中で気を失っていたのだった。

「やりすぎたか…… 」

 普段の彼らしさを取り戻し始めたのか、さすがに薫に対して罪の意識を感じるのだった。

「もう、皆本ったら !! 」

 帰宅中の車内で、薫は皆本に怒りをぶつけている。

 あの後、気がついた薫だったのだが、

限界まで追い込まれてしまい足腰に力さえ入らない状態となり、

周囲に見られないように気をつけて車まで連れ出したのだ。

「やりすぎたとは思っているよ。でもあれは、勝手に下着を経費で買った君にも責任があるんだぞ ? 

挑発したりするし…… それに、薫だってまんざらでもなかっただろ ? 

ああいう状況でするのも」

 自分の非を認めつつも、元凶はあくまで薫だと言い切るどころか、

同意の上での行為だっただろうと言う始末。

「う…… それは、そうだけどさ。でも、皆本に折角気に入っていたパンティ破られたから、

どうしてくれるのよ !! 代わりが無いから、気持ち悪いんだから ! 」

 皆本の言い分に反論しきれないものの、

無理やり脱がされる際に引き裂かれてしまい後に残ったのは無残にも布切れとなっていた。

 ちなみに、代わりの下着を持ち合わせていないため、現在ノーパン状態であり、

しかも今日はミニスカートでもあるので、今は必死に手で押さえ込んでいる。

 しかしやはり、何も履いていないのは勝手が違い違和感ばかりがそこに残る。

「代わりくらい置いていなかったのか ? 」

「一応置いていたつもりだったけど、何故か無かったのよ。

紫穂や葵の置いてあるのを借りるわけにもいかないし…… 」

「そういえば、紫穂と言えば、さっき賢木から紫穂から薫に会ったら渡してくれと頼まれた物があったんだ」

 ふいに思い出したかのように皆本は、路肩に車を止め、鞄の中から小さな紙袋を取り出し、薫に手渡す。

「紫穂が ? なんで、賢木先生になんかに、直接私に渡せばいいのに」

 妙な遠まわし的に手渡してきた紙袋を皆本から受け取り、その中身を開ける。

「げっ ! 」

 中身を取り出し、薫は思わず絶句する。

 その手の中にあるのは、嫌味すぎる赤のサテン風の生地で作られた紐パン。

 しかも、網目の入ったスケスケ前バリレース。

 そこまではまだ良い。

 更に、一番密着する股間のとある部分には、何故か穴が開いた作りになっているのだ。

 それが何の意味を表すかぐらい、葵以外なら同年代なら皆、理解できる。

(紫穂の奴…… )

 沸々と薫の中で、怒りのインジゲーターが上昇を始める。

「丁度良かったじゃないか、薫。紫穂には気付かれたけど、

それなりに気を遣ってくれているみたいだな。それにしても、

なんでそんな所に穴を開けてあるんだろうな ? 薫、その理由知っているのか ? 」


 真顔で皆本は、その使い道を薫に尋ねてくる。

 そういう面では、皆本は三十近くなっても鈍感で無知な部分が多い。

 というか、デリカシーが無いとも言う。

 恥ずかしさと今までの怒りが最高地点に達し、顔を真っ赤に染め上げた薫は--------

「そんな事言える訳無いじゃないの--------- !! 皆本のボケ ! 鈍感 ! 」

「う、うわっ ! 薫、何をするんだ----------  !! 」

 切れた薫は、右手を皆本に翳し念動力で車のドアをこじ開けると、

皆本を車外に投げ出してしまうのだった。

 皆本が悲鳴を上げながら飛ばされるのを無視しながら薫は-------

(これを渡す為に紫穂が私のパンティを盗っていったのね…… 

あいつ、『たかがパンティ一枚で、痴話喧嘩しながら所かまわずヤリたいのなら、

これでも履いていればいいんじゃないの ? 

これなら、すぐどこでも出来るのだから。お似合いよ、フン ! 』

と、言いたかったのね。もうまったく、やることがえげつないのだから !! )

 紫穂の思惑の真相を悟りながら、薫は深いため息を吐きながらも、

「でも、これ履いて皆本に試してみようかな…… 」

 そう、何か思いついたかのように呟くのだった。

終わっときます(汗)

 もう、コメント出来ないほど馬鹿っプルな、意味無いえろ話です(苦笑)

基本的に、シリアスではあまり年齢指定ものを書かないので、

ギャグ話として、こういう話を時折書く衝動がw

ま、元ネタはご存知の通り、『黒の幽霊 1 』の薫のパンツを奪って行く皆本から来てます。

 読んですぐ思いついたのが、こんなお馬鹿な話でした。

 基本的に本誌での子供薫と皆本の絡みは、すぐに大人薫に脳内変換してしまいます。

 ちなみにタイトルは、馬鹿話風に、馬鹿っぽいタイトルです。

 弓月先生が着けそうなタイトルつけてみました。

 多分、こんな話二度と書くつもりは多分あります(爆)

 そうそう、最後の穴あきパンツの話は、自分の小学生時代の一部実話です(自爆)

 親がどこからか、大量にもらってきた中にあり

 親にどういう風に使うの ? と、当時一応いたいけな ? 

小学生な自分は聞いてみたら、素直に教えてくれたある意味オープンな親でした(爆)




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